組立工程ゼミ
建築実物に残された構造細部と組立方法の解明を通じ、建築史の再構築を試みる。
本ゼミでは、従来の様式論・意匠論とは異なる視点から、建築実物に残された構造細部に着目し、組立方法の解明を通じて、建築史の再構築を試みています。
研究は、和様や禅宗様とは異なる独自の構造形式をもつ日本の大仏様建築を出発点としています。柱・貫・肘木・楔代などの配置や寸法を手がかりに、部材がどのような順序で挿入され、建物全体がどのように組み上げられたのかを推定し、そこに見られる特異な建造方法を明らかにします。主な研究対象は、12世紀に重源が手がけた大仏様建築を中心とし、その後の中世における大仏様建築、さらに近世において大仏様の技術を継承・応用した建築へと広げています。
また、中国大陸・台湾・沖縄、さらにベトナムを含む東アジアの木造建築についても積極的に現地調査と分析を行っています。建築を「つくる」過程、すなわち建造の視点から木造建築技術を読み解き、その成立と展開の系譜を広域的に比較研究しています。
これらの研究を通じて、技術論の立場から東アジア木造建築に共通する分析枠組みを構築し、新たな建築史研究の方法論を確立することを目指しています。
運営方法
本ゼミでは、東アジア木造建築を視野に入れながら、木造建築の組立工程を軸とした技術比較・構法比較を行っています。現地調査、修理工事報告書をはじめとする文献資料の読解、実測、3Dスキャン、図面化、モデル化などを組み合わせ、建築実物に基づく実証的な分析を進めます。
また、科研費・国際共同研究強化(海外連携研究)による研究活動とも連動し、東アジア建築史に関する研究会や国際シンポジウム、日中共同研究会などを通じて、国や地域を越えた学術交流の基盤づくりを試みています。
現存する重源関係の大仏様建築を対象に、柱・貫・楔代、肘木・斗などの構造細部に着目し、部材の挿入順序や架構の組み立て方を検討する。これにより、大仏様建築に見られる特異な組立方法を明らかにするとともに、従来指摘されてきた中国の穿斗式木造建築との系譜的関係を再検討し、大仏様建築体系における技術的特徴の解明を目指す。
中国大陸に現存する木造建築を対象に、現地調査・実測・資料収集を行い、建造技術の視点から分析を進める。これまで広東・福建・浙江・上海・山西・天津など各地において、唐・宋・遼・金・明・清各時代の木造建築を調査対象としてきた。
また、天津大学・東南大学・華南理工大学・福州大学など、中国の建築史研究機関や研究者との講演会・座談会・シンポジウムを通じて、日中建築史研究の連携と学術交流の推進に取り組む。
中世建築技術の展開を視野に入れ、金閣寺舎利殿および東福寺三門などに見られる大仏様系技術の継承と変容について検討する。構造形式や部材構成、組立方法に着目し、それぞれの建築における構造的・技術的特質を明らかにする。
近世の重層建築・木塔に見られる通し柱式構造を対象に、架構形式、柱の継手・仕口、荷重伝達、部材構成、組立方法の特徴を検討する。