京都工芸繊維大学 都市・建築遺産論研究室
Kyoto Institute of TechnologyUrban&Architectural Heritage Laboratory

Research

Research Unit

木造建築遺産のオーセンティシティゼミ

木造遺産の継承手法と真正性を包括的に捉え、新しい保存論を提示。

2024年度〜 (管理者:小松)

世界各国のあらゆる木造建築遺産を対象に、オーセンティシティ概念を軸にそれらの持つ本質的価値や維持継承に関する多様な特性を捉え、新たな遺産保存の枠組みを提示することを目的に活動を実施しています。

オーセンティシティとは日本語で真正性、真実性と訳される用語で、文化遺産の保存分野で注目され続けてきた概念です。世界遺産条約に用いられた当初は、世界遺産リストに記載される遺産が本物であるかどうかを判定する指標として使用されていました。当時はヨーロッパの組積造の建築を対象にその概念が形成されてきたため、木造建築への適用は難しいものがありました。そうした中で1994年に「オーセンティシティに関する奈良文書」が発表され、その適用範囲が大きく広げられることとなりました。

しかしながら、依然として木造建築遺産を完全にその枠組みの中に入れることはできていないと言えます。木造建築遺産の特徴として、部材の腐朽や折損により部材の更新が避けられないことや、火災等で失われやすいことが挙げられます。この特徴のため、世界各地の木造建築文化圏では多様な継承のための手法が生み出されてきました。それらは、日本における解体修理を筆頭に、移築、再建、復元、写し、周期的な建替え、仮設などが挙げられます。これらの伝統的かつ固有の文化に基づく独特な継承手法は、部材の更新がほとんど不要な組積造建築を中心として形成、発展してきた従来のオーセンティシティ概念では捉えきれない側面を有していると言えます。

そこで本ゼミで、これらのような木造建築遺産の特性を正面から捉え直し、そのオーセンティシティの様相を包括的に捉えることで、新しい遺産保存の枠組みを提示することを目指して活動を行っております。

運営方法

各地の木造建築を対象に比較研究を行い、継承手法と価値評価の関係を体系的に整理します。

研究事例

木造遺産の継承手法の比較研究多様な修理・再建手法を比較し新たな保存論を構築。
写真を配置