京都工芸繊維大学 都市・建築遺産論研究室
Kyoto Institute of TechnologyUrban&Architectural Heritage Laboratory

Research

Research Unit

文化的景観ゼミ

歴史的都市・町並みを文化的景観の視点から統合的に評価し、新たな枠組みを探る。

2013年度〜

日本だけでなく世界各地の歴史的都市や町並みを主な対象として、「文化的景観」の考え方を援用した、統合的視点に基づく新しいアプローチを検討していくことを目的に研究を実施しています。

歴史的な町並みの持つ文化的価値が高く評価され、文化財や観光資源として注目されている昨今、それらの本質的価値を守っていくことは喫緊の課題となっています。これまで、町並み保存に関する様々な制度、計画、研究、実践などが広く展開され、それそれが成果を積み上げてきました。しかしながら、これらは相互の連携が希薄であり、景観という複合体に対するアプローチとしては不十分であった感が否めません。そこで我々は、「文化的景観」の概念に基づいた捉え方を根底に据えて評価を行うことで、その課題を克服することを試みております。ここでいう「文化的景観」は、世界遺産条約や日本の文化財保護法に定義されている文化資産そのものではなく、それらの考え方の基本にある、景観を地理的環境、生業、文化、建築物など自然、人工物問わず、あらゆる要素が相互に連関して形成された文化的複合体と見る「捉え方」であります。この視点から町並みを評価することで、かつての調査などで見落とされがちであった生業と建物、文化と建物のつながりを捉えることができ、より個々の地域の文化に根差した本質的な景観の理解を得ることができると考えます。

本ゼミでは、このような視点において町並みの評価から保存、それに関わる制度や概念などを捉え直すしていくことで新たなアプローチを開発することを目指しております。また、都市の文化的景観を中心として扱っておりますが、都市や町並みに限らず農山村の文化的景観についても広く対象としております。これらの実践を通して、包括的視点としての「文化的景観」の枠組みを構築していくことを目標に活動を行っております。

運営方法

文化的景観ゼミでは、本研究室メンバーだけでない文化的景観に関連する研究を実施している他研究室の学生も含めて、研究室横断的なメンバーで活動をしています。各自の研究対象地の事例分析、現地調査、歴史的建造物の実測、文献調査を通してその地域固有の生業と建築物の関係性を読み解き、ソフト面とハード面が融合した、新たな文化的景観としての理解を探ります。

宇治茶の文化的景観

宇治茶に関連する地域の景観について文化的景観の視点から評価し、保存活用に係る計画を策定するための調査研究を継続的に実施。

宇治茶の文化的景観
堺環濠都市北部地区町並み調査

近世以来の地割が残る堺市北部地区において、製造業における分業体制と地割や町家の関係性を統合的に評価することを目的に調査研究を実施中。調査報告書の刊行予定。

堺環濠都市北部地区町並み調査
城崎温泉町並み・文化的景観調査

兵庫県豊岡市の城崎温泉地域を対象に、木造3階建て旅館の建ち並ぶ温泉街としての景観の特質と、そこから導き出される城崎らしさとは何かを明らかにするべく調査研究を実施中。調査報告書の刊行予定。

城崎温泉町並み・文化的景観調査